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くだらんこだわり

V-Accordion用のヘッドホンを探す旅(3) ~Missing~

V-Accordion用のヘッドホンを探す旅、第3回です。第2回はこちら。

 

bonkasugai.hatenablog.com

 

タイトルから想像できるように、いま悲しい気分でこの記事を書いています。

 

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ATH-M50xWHがやってきた 

ついにaudio-technicaのATH-M50xWHが届いた。ヨドバシドットコムで一日で届いた。相変わらずGJ(今般の台風などによる配送遅延で配送主の都合で11/5に配達日指定されていたのを郵便局から電話してもらい受取った経緯があったがそこはもうどうでもいい)。

 

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白い本体は適度な重みから存在感を覚える。可動部分は基本的にカチッと目盛りごとに動くので、まるで特殊な医療器具かのようだ。そして合成皮革と思われる専用のポーチはシンプルながら愛着を持つには十分な代物。理想を実現する付け替え可能な3本のケーブル。装着感も良い。平均的な大きさの僕の耳は心地よいイヤーパッドにすっぽり包まれた。恥ずかしながら、ヘッドホンかぶって鏡を見たりもした。この瞬間は最高の気分だったと言っていい。

 

徐々にテンションを上げていきたいな。まずはスマホに繋いでYouTubeを聴く。おぉ、あれ、普段聴いてる曲の聞こえなかった息遣いまでもが聞こえるよ!あれ、あれれ…?

 

なんか音小さくない?気のせいかな?YouTubeじゃなくXperiaに入ってるサンプルミュージックを聴いてみっか。ぉおお、すげー、広がりがやばい!かっこいい!これはすごい音体験だ!!(表現が貧相でごめんなさい)やっぱ買ってよかったな~。

 

少しざわざわする。先を急ごう。FR-1xbに繋いだよ。電源ONしたよ。音量最大にしたよ。ざわ…ざわ…いつものウッドベース&ピアノにしたよ。えーいっ!…あれ…。

 

やっぱり音が小さいよ

 

生音ライブの最後列

アコーディオン音色にしてみる。普通だ。適正レベルで聞こえる。前のaudio-technicaのATH-PRO5Vでもアコーディオン音色はうるさいぐらいだがピアノやウッドベースはやや聞こえづらく、コーラスやリバーブの設定を調整してようやく及第点の音量となった。それがATH-M50xWHだと、アコーディオンは適正、ピアノやウッドベースはとても繊細でマイルドで情感豊かだけど…たぶん豊かだけど…音が小さい!クリアじゃない!聞こえない訳ではない。ただ、生音のライブをいちばん後ろの席で聴いてるみたいなもどかしさがある。天国から地獄へは一瞬だった。17,600円~~!

 

FR-1xbでピアノ音色やギター音色はベローズ(蛇腹)でコントロールできない。だからベローズを完全に閉じたままでもボタンタッチだけで鳴る。コントロールするのはタッチの強さだ。基本に戻って取扱説明書を漁る。音量を上げたい、何かないか?

 

致命的な落とし穴

パラメータのOrchestra Level(ピアノなどオーケストラ音色の音量)、Orchestra Bass Level(ウッドベースなどオーケストラベース音色の音量)はともに最大に設定してる(元々)。ヘッドホンには関係ないと思うが念のため、Output Level Attenuation(出力レベルを下げる)はオフ(元々)。Treble / Bass&Chord Balance(左右のバランス)を調整するが右手を上げるとベースが聞こえにくくなるから結局もとのセンターに戻す。ChorusとReverbのタイプやレベルを変えていくもむしろどんどん悪くなるばかり。ピアノの音量を上げる設定はもうない。詰んだ~!

 

テーブルにこの色いヘッドホンを置いて眺めてると美しくてうっとりする。ともに音楽活動をしたい!なんとか納得しようとした。「うん大丈夫、弾ける」って。でもなんぼ弾いてもあぁこれはダメだとしか言いようがなかった。なんだろう、音源と耳との間に距離があるというか、霞がかかってる感じ。ぼんやりとしか聞こえないから、タッチの按配が肝要な音色のニュアンスがモニタできない。音量が大きすぎるなら小さくすればいいだけだが、音量が小さすぎるのは致命的だ。こんな落とし穴があったなんて!溜息が出た。

 

他社ヘッドホンNG説

外見で恋に落ち、肝心の音は「馴染みのaudio-technicaだから大丈夫」という根拠のない安心で、買う前から満足してたのは間違いだったか。冷静になるとあれを思い出す。うん、知ってたよ。取説にも書いてるあれだ。

 

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FR-1x取説p.21(赤枠加工はボンかす)

分かってはいたけどね。見えなくなっていたんだよね。「きっと大丈夫」という期待は、実は根拠のない願望に過ぎなかった。ヘッドホンの技術的なことは分からない。同じモニタ用ヘッドホンであるaudio-technicaのATH-PRO5Vより上位であるだけにフラットに鳴るということなのだろうか?スマホのサンプルミュージックのようなデジタル音源を聴いた時にはまさにアメージングだった。また電子ピアノならいいのかも知れない。あくまでFR-1xbのオーケストラ音色の一部とAHT-M50xという組み合わせでは十分な音量が得られないという結果があるだけだ。注意書きなんて注意に過ぎないと思ってた。まさか本当だったとは…。

 

海外フォーラムにトドメを刺される

なぜ買う前にやらなかったのか、ふと思い立って英語で検索すると、海外のフォーラムがヒットした。日本語では情報がなかったけど、まさしくV-Accordion用のヘッドホンについてのやりとりだった。

 

Headphones for Roland FR-3X - The Accordionists Forum

 

V-AccordionのFR-3x用のヘッドホンに特定のスペックは必要か」というボブの質問に複数の回答者が返事しているんだけど、内容をまとめると

  • ほぼすべてのヘッドホンが使えるよ
  • どの品質のを選ぶかは君次第だ
  • プラグはL字型が抜けにくいのでオススメ

 などと当たり前の回答に混じってこういう言葉があった(適当な翻訳)。

私はRolandのRH-300を買った。他にも高品質なヘッドホンは持ってるけど、V-Accordionでは音量が得られない。満足してるよ。高い買い物だったが「価格は忘れるが、品質は生涯残る」と言うからね。

最後の「価格は忘れるが…」というフレーズはグッチ創業者の息子で二代目、アルド・グッチ氏の言葉である。えらい大袈裟だな。でもそれを見て純正じゃないとダメなのは仕方ないんだな、とようやく諦める勇気が出てきた。

 

最後の旅へ

なんだか繰り返しテストしてたら分からなくなった。朦朧としていたかも知れない。今さらになって、あれ案外いけるんじゃない?とか思ったり。そこで、仕事を終えて帰ってきた連れにもテストに参加してもらい、「音量がない」というので安心した。連れは慣れたもんで「ヨドバシ行く?」と聞いてくる。僕らは夜、最後の旅に出かけた。

 

次回、最終回 第4回もぜひお読みください!

 

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