春日井ボンのボンかすLIFE

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日本人バヤニストの生活と日々

禁煙の敵・不毛な妄想との闘い

禁煙3日目は脳による不毛な妄想との闘いだった。

 

ニコチンの定期的な摂取を前兆もなく突然に断絶された脳が、なんとかニコチンを摂取させようと理性に殴りこみをかけてくる。禁煙界隈では「3日目が最初の峠」なんて言うが、この脳との冷戦が峠を高くしているのかも知れない。

 

妄想の中身

僕の脳が僕に仕掛けてきた不毛な妄想とは、例えば次のようなものです。

 

  • 無理して禁煙したら逆にストレスが溜まる
  • 1本だけ吸っても禁煙は再開できる
  • 偉大な多くのミュージシャン達も喫煙していた
  • 自分の弱いところも愛そう
  • 欲望に嘘を吐くのはやめよう
  • いつ死ぬか分からないから好きに生きろ
  • 弱みを受け入れる器の大きさを手に入れろ

 

喫煙経験のない嫌煙者には一笑に付されるとともに心から軽蔑されそうな内容だが、禁煙の当事者にとってはお馴染みの面々ではないだろうか。こやつらは長期間に渡りニコチンに手懐けられた脳がなんとかこれまで通りに出来ないかと、慌てて寄越してきた刺客の一部だ。過去何度も僕は死闘を繰り広げてきて、時に勝ち時に負け、そして最終的には全敗してきた訳だが、今回は闘わずして勝った気がする。どうやって勝つか?武器は何か?それは本当に1ヶ月とか100日とか勝ち続けてからゆっくり書こうと思う。少なくとも3日は勝っている。

 

禁煙のメリット

3日目段階での禁煙メリットを挙げてみます。あくまで僕個人へのメリットです。

  • 指、髪、服、部屋に匂いが付かない
  • 時間が長く感じられる
  • 月数千円が浮く

 

人間の身体にとってニコチンやタールは毒であり、喫煙にはデメリットしかない。精神的には中毒症状がもたらす悪習としてのその場限りの安堵感以外にはメリットはない。一方で中毒症状からの快方である禁煙にはメリットしかない。これらのことを理解している上で、肺がんのリスク軽減だとかは自分では実感できないし自明のことだから、ここでは直接感じられることだけ書こう。一言にすると、体調・時間・金銭が戻ってくることがメリットだと思う。もっとも、喫煙してたら値段高くてもやめられないので金とかは正直どうでもいい。むしろ、区切りのない長い時間が手に入ることが大きい。これまで喫煙で区切りをつけていた。今は自分で戸惑うほどの時間がある。まだ慣れないけど、今までなんとも無駄な時間を過ごしてきたってことだ。

 

禁煙のデメリット

では逆にデメリットを挙げてみます。これもあくまで僕個人へのものです。もちろん、「吸わないデメリット」ではなく「吸っていた人が吸わなくなるデメリット」です。

  • お菓子類を多く食べ、太る
  • 水分を多く摂り、夜中に何度もトイレに立つ
  • 更正した不良学生のような一抹の哀しさを感じる

 

とにかく口が寂しい。水、氷、ガム、飴、ミンティア、柿ピーなどを摂取して堪えている。その結果が太ることと、夜中のトイレだろう。禁煙して約1.0kg増えた。そして昨日はベッドに入ってから7~8回トイレに行った。まともに寝れない。起きている間にもトイレ(小さい方です)の頻度は激増した。飲むのは主にミネラルウォーターだから身体に悪影響はないだろうが、ちょっとしんどい。

 

ちなみに「メシがうまくなる(から食べる量が増えて太る)」はない。元々メシはうまかったので特にそこは変わらない。喫煙してると味が分からなくなるというのは迷信じゃないかな。

 

で…、あくまで僕にとってだけど最もデメリットと感じられることであり且つ禁煙の鍵だと思われるのが「更正した不良学生のような一抹の哀しさ」だろう。

 

心にポッカリ穴が開いた感じ。昔は後先考えず好きに生きてた、周りに好かれようが嫌われようが関係なし。そんな自分が更正した…という心境です。タバコにまつわる楽しい思い出(たぶん談笑とかだけど)があるんでしょうね。これは、禁煙そのものを「良いこととされているから、する」のではなく、心から「禁煙したいから、する(禁煙して良かった)」と思えるかどうかに係っている。禁煙を心から良いと自覚できるなら、きっとこの寂しさを忘れるのだろうし、忘れられないのなら禁煙を完全に良いことと思えていないってことに違いない。

 

僕にとって喫煙は、悪いことだけど楽しかった。いま、食事をしても酒を飲んでも、部屋を掃除しても本を読んでもV-Accordionを弾いても、その後にタバコがないのだと思うと少し寂しい。その寂しさは、別のもので解消しようと思う。