昨日、路上で演奏していた頃の話を書いた。一時期、週に2~3度、夜の繁華街で僕はバヤンを弾いて歌っていた。仲間内では路上で歌うことを「根性試し」とか言っていた。
作曲ができるようになるまではいくつかカバーを歌っていた。だけど作曲にのめりこむようになってから殆どカバーをやらなくなった。だからカバーで歌えた曲は少ない。ミュージシャンらしく、ここで少し紹介してみる(カバーした順に)。
大江千里 - AVEC
今はジャズピアニストの大江千里さん。ブレイクする前、歌詞のテーマとノンビブラートの歌唱から「男ユーミン」(荒井由美の方)と呼ばれていた頃、この手の歌が結構あった。僕は日本に一時帰国した際にピアノ譜を買い、これが一曲通して最初にマスターした歌だった。これをロシア語に翻訳して歌っていた。海外にいると日本語への渇望もあって、言葉の奥深さに触れたのだった。
崎谷健次郎 - 水に眠る
残念ながら一曲まるごとはYouTubeにもなかった。上の動画の14:41から15:54あたりがこの曲。崎谷さんは僕がずっと好きなミュージシャンだが、なによりこの曲は左手ベース単音と右手のコードだけで演奏できるまさにバヤン好みのミニマルミュージックだった。ロシアでロシア語でも歌ってたし日本でライブでも演奏したことがある。不思議なことに詩人の国であるロシアではこの曲の世界観をよく理解してくれた。歌詞の翻訳は楽しいものだ。
Bob Telson - Calling You
映画「バグダッド・カフェ」の挿入歌であまりにも有名なJevetta Steele バージョンよりも作曲(作詞も)したBob Telson のバージョンが好きでカバーし、よく歌っていた。不思議で、無駄がなくて、なんとも言えない気持ちになる曲です。この曲を知ったのはレンタルの映画ではなくCD屋さんだった。
なんつってもCDジャケットがこれだったからな。
CDのジャケ買いで曲を知り、そこから映画「バグダッド・カフェ」を観て、結果しばらくドイツ映画を観まくった、という今ならネットのおかげで1時間くらいで終わることを数ヶ月かかってゆっくりと体験する時代だった。
うれしいことにBob Telsonはいまも歌っている。最近のご本人のYouTubeにピアノ弾き語りのCalling Youがアップされていた。
Bob Telson sings Calling You (from Bagdad Cafe)
…いいですね…。
この曲を20代の僕は170万都市の中心部、夜の繁華街で歌っていたのだからマニアックだったね。ダブリンとかじゃない、日本の地方都市なんだから。イロモノ扱いされたのも仕方ない。