春日井ボンのボンかすLIFE

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日本人バヤニストの生活と日々

【V-Accordion レビュー】FR-1xb 設定編

我輩はバヤンである。名前はまだない。

 

今日はV-Accordion「FR-1xb」レビュー第2回、設定編です。

 

印象を一言にすると、音色の変更にはすぐ慣れるけど、パラメータの設定変更・保存は操作に慣れるまでに少し時間がかかりました。

 

僕が最初にしたことが配列変更に伴うボタンの付け替えです。

 

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ボタンは左に回して外し、右に回して付ける。外側のボタンは容易だが内側はほかのボタンが邪魔になって難しい。ボタン式アコーディオンの演奏者ならこれくらいの細かい操作はたやすいだろうと踏んでるのか笑? 僕は手が小さいからいいけど、指や手が太いロシア人がこれをやるのは大変だろうな。

 

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バヤン配列に変更できました。

 

この後、パラメータを変更して、配列をBグリフ・バヤン式に設定した。これだよ!20年の空白が一瞬で埋まった気がしました。

 

しかしベースキー側はボタン付け替えを諦めてしまった。取説を見るとこれは回すのではなく上に引き上げて外すとあるが、爪をひっかけても取れない。壊しそうだからとりあえずまた後日ということにした。ちょっとやりにくいなぁこれ。

 

左手の話。ベースキーの配列にも右手と同じく世界中にバリエーションがある。僕は当然バヤン式に設定した。2列のベースキーにはオーケストラ音色としてアサインできるアコースティックベースやフラットベースが用意されており、さらにそれにドラムセット音色を加えて鳴らすことができる。これはまぁ単純に面白く、楽しいおもちゃという感じ。残り4列のベースキーにはベース音ではない(つまり中音域~高音域の)オーケストラ音色をアサインできる。

 

楽しみにしていたのが夢のフリーベースである。FR-1xbでもスイッチ一つでフリーベースに切り替え可能なのを事前に取説で知っていた。それが購入の大きな理由の一つだった。

 

フリーベース利用時には手前2列がふだんどおりのベースで、残り4列がフリーベースになる。アコーディオン音色およびオーケストラ音色の一部(ピアノとかギター、オルガンなど)が単音で鳴らせる。アコースティックベースなどフリーベースとしては鳴らせない音色があるので要注意。アコーディオン音色でできるんならいいじゃん、と言うには、アコースティックベースの音のクオリティが高すぎるのだ。残念である。今後のドライバアップデートで改良を望みたい。

 

別のパラメータで3列まで単音ベースとしてアサインできる設定があるが、この配列はバヤン式とは異なる。それで慣れてしまうともはやバヤンではない…バヤンが弾けなくなってしまうから、いたしかたなく2列でベースを弾くか、アコーディオン音色のフリーベースにして弾くしかない。FR-1xbでフリーベースを楽しみたいと思っている人には認識しておいてほしい部分です。

 

設定に関わることなのでそのままインプレッションに移ろう。ベローズのエクスプレッションは当然ながら、パラメータは各種に及ぶ。これは電子楽器なのだと気づかされる。

 

一方で、右手ボタンの感触が気になっていた。これはイケベ楽器の鍵盤堂による開発者インタビューで触れられていたところだ。

 

【鍵盤堂】 Vアコーディオン開発秘話

 

一言で言うとアコースティックなアコーディオンと比べて反発がすくない。反発が少ないということは押した感触としても薄く、押した感じがしない…と。音出しの前にボタンを押してみたが、アコースティックのパタパタという感触に比べて多少、カチカチに近い、まさにノートパソコンのキーボードを押したような感じがある。これは音色を出して実際に弾いてみると僕にとってはそれほど気にはならなくなった。ここはアコースティックの経験、それも高級機種の滑らかなボタンに慣れた人ほど気になるかも。さきほどの鍵盤堂の記事は執筆時期が分からないが、その内容から2010年以前のような気がするからもしかしたら改良されたのかも知れない。なお、左手のベース・コードキーは大きな違和感はないのが僕の印象です。

 

音色について。大まかに言って、右手の音色(おんしょく)は、アコーディオン音色、オルガン音色、オーケストラ音色がある。あぁ。アコーディオン音色は、今まで弾いてきたバヤンがいかにギスギスした音だったかと感じ入る。ジャズっぽいオルガン音色もかなりいい。しかし一番はやはりテナーサックスじゃないだろうか。こんなにもいい音だとは思わなかった。アコーディオンでサックスの音色を奏でるなんて、おもちゃのキーボードで遊んでいる子供みたいだと思っていたんだ。

 

僕は20年前、歌モノの伴奏としてバヤンを使っていた。左手で単音ベース、右手でコードを弾いていた。それは左手のベース・コードキーを弾きながら右手で速いパッセージを弾くというミュゼットのようなアコーディオン伝統のスタイルに馴染めなかったしそれで自分が目立てるとも思わなかったからだ。それがやがて歌モノに移行するきっかけになった。

 

そんな気持ちがテナーサックスの音色で吹き飛んでしまう。サックスが魅力的な音色を出せる楽器だということはもちろんだけど、蛇腹でニュアンスを付けられるからこそのこの音色という気がする。美しいメロディーを弾きたい。そう思った。これからは、左手のフリーベースで単音弾きし、右手はメロディー+パッセージにしようかなぁ。

 

設定についてはまだ試行錯誤中なので、Tipsがあればまた公開していきます!

 

さて、これから長い付き合いになるこの子。名前はまだない。でもこの子が好きで、この楽器が好きなんだということは2日間でよく分かった。幸せだなぁ♪