ファイナルラウンドが終わった。僕の1ヶ月に及ぶ闘いは終わりを告げた。
闘い続けても自分の得になることなど一つもないと分かっていたけど、ただ強くなりたくて途中退場をせずに終わりまで闘った。最後に挨拶をして退出したがあまりに毅然としていたからか、誰も僕に目を合わせる者はいなかった。その瞬間、僕は勝ったのだと思った。すべて忘れよう。早く忘れたい。ただ逃げずに闘って強くなったと実感できたことだけを覚えていよう。
帰り道、実感がないというか、解放感のようなものは感じなかった。むしろ、なんだったんだよという気持ち。言葉でうまく伝えられないし、伝える必要もないだろう。
自由になった今夜、外で乾杯もしたかったがあまりに寒いので連れと家で宅配ピザを囲んでささやかに乾杯した。う~んまだ実感ないなぁ。でもこれからだ。