春日井ボンのボンかすLIFE

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「何のため?」とは聞かないで。

M脱出計画

昨夜、横になってから突如、僕は決意した。マンションを売却して賃貸に住む、マンション脱出計画だ。仮にM脱出計画とする。

 

予兆はあった。数日前だったか、まったく何の気なしに、よくある広告の「マンション査定します!」みたいなのを試してみた。住所と、築年数、階数、専有面積を入力する。思いがけず高い査定が出た。もちろんその先はしない。実際はその価格で売れることはないだろう、広告なのだから。ただ中古マンションの価格は上がっている。買ったときの半額…ぐらいに考えていたけどもっと期待できるかも知れない。

 

区分所有法の改正に伴い、これから耐用年数の限界が訪れるマンションの資産価値向上のために何をするか──ある東京のマンションの管理組合の取組みをニュースで流していた。上階をさらに追加で建設する方針を管理組合で検討したが、地域の美観条例で高さ制限があり叶わなかったと。そこで「管理組合の会議風景」なるものが映ったのだが、後期高齢者が集まって唐揚げとか食べながらあははとか言っている。なんで食事しないといけないんだ?一人残らず全員が大体80歳近いような年齢だった。そうだ、あの中に、僕はいるのだ。そう思うと本当に虫唾が走った。うちのマンションは戸数が少ない。だからこれから3-4年に1回は理事をやらされ、まったく興味のない事柄をあーだこーだと議論しないといけないのだ。そんなことをやりながらただ年を取るだけの老後。ここに住むメリットってなんだっけ?

 

そんなことがあり、夜ベッドに横になった時、ふと「あ、売ればいいんじゃん?」と思ったのだ。自分の余生の年数と、働ける年数、賃貸で払う家賃×月×年数、マンションを売却して手に入る額、年金(ちゃんと出るとして)をざっと計算。マンションに住むことのデメリット(理事会ぐらいだが)、賃貸のメリットである自由、それらを考慮したが、そう無茶な話でもない。目の前が開けた気がした。

 

久しぶりにすごくワクワクした。僕はいつの間にかマンションに囚われていた。引っ越しもできず、ただ同じ場所で年を取るだけなのだと思い、何もかも諦めていた。老朽化するマンション同様に、僕の心も老人になってしまっていた。だがそんなことはない。マンションなんか売ってしまえばいいのだ。資産を残す家族も子供もいない。自由になりたい。