春日井ボンのボンかすLIFE

春日井ボンのボンかすALONE

日本人バヤニストの生活と日々

低速演奏で練習する

低速で演奏する練習をしてみた。公開バージョンと比べると1.5倍から2倍以上ゆっくり演奏するのだ。この低速練習をやってみると、本当に色んなことに気づかされた。

 

第一に、普段いかに雑に音を出していたかということ。ハイテンポだといつの間にかスピード重視でちゃんと演奏せずに流している箇所がいかにたくさんあったか。ゆっくり弾くとごまかしがきかない。

 

第二に、考えて弾くか考えずに弾くかの違いに気づく。思えば、速弾きだと意外なことに勢いでなんとかなってしまう。ところが、ゆっくりだと考える時間が発生してしまい、考えると弾けなくなることがあった。そもそも速弾きでは何も考えず指の感覚だけで弾いているのだ。だから途中でふと「考えてしまう」と、そこであれっとなって指が動かなくなることがある。低速で弾くとは、指使いの正確さにおける失敗率を下げる代わりに、指の記憶を実際に実行する力が試されるというような感じか。これを考えると、ここまでゆっくりじゃなくても多少ゆっくり弾いて失敗率を下げつつ、最低限「次はこれをやるのだ」という記憶をロードしながら弾けると一番いい演奏ができるのではないか。下手なりに色々考えてしまう。

 

最後に、些細なことだが体調やコンディションみたいなものを自覚できること。爪が長いとかも気づきやすいから便利だ。ボタンに爪先がカチッと当たってしまうから。速弾きだけしていると、ちょっと気づかない。

 

インストをゆっくり弾くのって、以前はネガティブに捉えていた。ベテラン歌手がタメにタメて歌うみたいな、悪い意味での演歌的なものを感じていたから。でもこれは、やってみたらとても音が鳴っているし、もっと言うと速弾きより音を楽しめる。一音一音ちゃんと鳴らしているから。時折、作曲した時にどんなつもりでこの音を使ったのか?ということを思い出す。う~ん、低速演奏は偉大だな。