住宅ローンの支払いが今日、終わった。
ローン開始時には「終わる時には46歳?もうそんなの想像できないぐらい完全な未来だからどうでもいいや」と思ってた。それから10年間、毎月ずっと自動的に数万円を支払い続けて、半分行ったごろに一度「ようやく折り返しか…」と溜息付いたぐらい。最後の1年間も、もはやこれが終わるという実感はなかった。
それが終わった。晴れて借金のない身になったけれど、税金や光熱費と何が違うのだろう。うれしいはずなのに喜べない。あくせく生きているのはこれからも、現時点では変わってない。いまなんか無職で求職中だし。それに人におめでとうと言われるような事柄でもない。そもそもお金なんて紙切れだ。いちばん稼いだ時期にも実感はなかった。ただの数字じゃないか。
それでもただ一人、僕は自分を労おう。10年間お疲れ様でした。よくがんばった。連れは具合が悪くて横になっている。一人でこっそり、一杯やろう。