ボンかすLIVE

春日井ボンのボンかすLIVE

バヤニストの独り言

ボンかすLIVE(初)まとめ ~Sweet and Heavy Bitter~

札幌市北区のCuanto norteさんで僕は初ライブに出た。

 

書いてる今は実はライブの翌日。今日になってようやく自分に向き合えるようになった。でもどっかでまだライブの中にいるような、そんな気分。

 

その日は朝から練習の調子がよかった。1/50の失敗率が1/100まで下がった感じ。普通に洗濯したりなんだりしながらちょこちょこバヤンに触ってた。ライブは17時ごろから。16時を過ぎてようやく連れと重い荷物を持って出発した。お店はうちから歩いて5分くらいの近場にある。台風一過の秋晴れの下、二人でとことこ歩いて店に向かった。

 

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今回は「スマホ写真展vol.壱」のクロージングパーティーということだったけどお客さんはこじんまりと出展者の方が5、6人いるくらい。連れには「ぜんぜん緊張しないよ」なんて言っていた。

 

店の後ろの方でビデオカメラを三脚でセッティングして待つ。17時前になっても特に声がかからなかったのでそろそろ用意しようと楽器をステージに持っていく。この時はまだ緊張していなかったと思う。音出しをし始めると数人と言えども注目が集まる。そらそうだよね。

 

それからのこと…「ではお願いします」とマスターに言われ照明が落ちると、何か感じたことのない孤独な感情が押し寄せてくる。なんだろうなこれは。たしか1曲目は少なくとも曲が停まるほどのミスはしなかったと思う。その後だ。1曲目の後の長めのMCを喋っている時にのどがカラカラになって自分が震えているのが分かった。前職で50人くらいを前に朝礼をやってたけどそれだって最初はこんなだった。やばい、これは緊張するぞ…と思うと頭の中にだんだん霞がかかっていった。

 

2曲目、3曲目と信じられないところでミスをした。4曲目が最悪だった。アコーディオンは左手のボタン部分が完全に見えないのだが、本当の意味でLOSTした。何を弾いているのか分からなくなったんだ。何度も弾き直ししてもリカバリできず、結局その少し前の部分から弾きなおした。5曲目も本当にどうでもいいところでミスして取り返しつかなくなった。

 

弾き直しも一回で済むならまだ可愛い。だけどLOSTしてる瞬間は数秒が1分にも10分にも感じられるくらい辛い。その間ずっと針で刺されてるみたいに感じられる、誰にも刺されていないのに。ラスト6曲目はもう完全におっかなびっくりで演奏しててエモーショナルな欠片もなかったにも関わらず、やはりミスしてLOSTした。

 

途中で止まる演奏は音楽ではない。つまり僕は音楽を演奏できずに終わった。アマチュアだしそんなに期待されてのステージじゃないかもだけど、でも音楽を提供できなかったのは事実だ。悔しい。楽器を買って1年半。それから1日も欠かさず練習して、ライブが決まってからも同じセットリストを毎日何回か練習して、それでこれなんだ。それが今の自分なんだ。 

 

で、普通なら意気消沈して会場を後にするところだけど今日はパーティーだ。僕は出展者の方たちと普通にワイン飲んで食べて、Twitterのフォローしたりしてなごんでた。そういうの普通のライブじゃあり得ない。しゃべってるうち、まるで身内というとおこがましいけど、ちょっとだけ同じサイドにいる気がした。こういう時って反省も必要だけどかと言って落ち込むのは違う。意外にすぐに忘れて飲んで笑ってた。心の中で自分への悔しさはあるけど、それはさておき。

 

やがて人が増え、ライブ後に来た方が多くなったころ、マスターからまさかのおかわり要望が。最初冗談かと思ったらそうじゃなかった。2曲ぐらいいいですか?って。なんか笑っちゃった。赤い顔でおかわりLIVE。そしてやはりLOSTした。意外に弾けちゃうんじゃないかと思ったけど甘かった。2曲目は軽ミスで済み、「あっ弾けた!」ってMCいれて笑いを取るというNOプライドな僕。ただこのおかわりLIVEで気付いたことがあった。

 

それはヘッドフォンをせず演奏をするリスク。緊張はするにしても、なぜLOSTしたか考えていくと、モニタアンプを聞き取れなかったからだ。モニタが小さかった訳ではなく、お客さんがうるさい訳でもない(むしろ水を打ったように静かだった)。リハの時には聞き取れた。つまりリハでは自分が弾いてる音が聞こえたのに、本番で聞こえない。これはひとえに緊張感から耳に入らなかったからだ。ヘッドフォンしたら、いつもの家で練習してる時の音が聞こえてきたらちょっと違ったんじゃないかなと、このおかわり演奏で思った。アルコールのせいにするのは簡単だがアルコールでさらにモニタが聞き取れなかったのだとしたら、辻褄が合う。LOSTの原因がそこにあるのかも知れない。緊張感対策は慣れだろうけど、もしもヘッドフォンでリスクが軽減できるなら、これからはライブでもヘッドフォンつけて演奏してみよう。電子楽器だしね。

 

いつも支えてくれる連れは「そんなに言うほどひどくないよ、間違えてるな~ってのは聞いてて分かるけど。それにすごくよく弾けてる瞬間もあった。すごくいい感じの時が、瞬間的に。あとちょっと、もっとゆっくり弾けばいいのに。落ち着いてゆったりとさ。だからそんなにすいませんって謝らなくていいよ。謝って欲しくないなっていうか」と言ってくれた。「うん。分かる、自分が逆の立場だったらアマチュアのライブで出てる人を責める気にもならんし。だからそこでアハハーめっちゃ間違えたって笑ってたっていいけど、それはできなかった。あんな演奏をして投げ銭までもらって申し訳なくてつい謝っちゃった」と言ったら「うん。そっか」と答えてくれた。ありがとう、連れ。

 

おかわりLIVEを聞いてくれた、この日出会ったこの店でのライブ活動の先輩であるT氏いわく「俺もむちゃくちゃヘタっぴだったけどライブ出て、出て、出てってやってきましたよ。出るしか慣れる方法ないんですよね」と。僕より25歳下の彼に大事なことを教わった。うん、その通りだよな。彼がヘタっぴだった頃いまの僕ほどのひどさだったかは知らないけど、この言葉はいまの僕に救いになった。ありがとう、T氏。

 

僕はライブに出ているすべてのミュージシャンを尊敬する。やったら分かるね。だからこそ完成されたライブパフォーマンスには価値がある。そこにどれだけの時間と思いが詰まっているか。

 

お名前を聞けなかった人も含め、たくさんのお初の方と楽しく飲んで話せたってのは本当に楽しかった。みんなやさしい。マスターは僕の演奏の技能について、当日まったく何も言わなかった。そもそも上手な演奏を求めていたんじゃないってことだろう。僕もヘタだったことを詫びなかったと思う。ちょっとぐらい詫びてもいいのにね。そしてライブ翌日にマスターからDMが来た、「やっぱり頼んで良かった」って。いやー、涙が出る。なんて言えばいいのか分からない。神様か!

 

僕の甘くてめっちゃほろ苦い初ライブが終わった。あれだけ楽しみにしてたものがこういう形で終わってしまった。スウィートでヘビービターだよ。ヘビメタならぬヘビビタだよ。いつもの練習どおりの演奏をして、盛大な拍手を浴び、大きな自信を得るはずだった初ライブ。現実はそうならなかった。すごく悔しくて、同時になぜか傷ついてはいない(でもさすがに演奏動画を見る勇気はまだない)。

 

そうだ、ひとつ目標が出来た。今日聞いてくれた人たちのうちの誰かが次に僕の演奏を聞いた時に「だいぶうまくなったじゃん!」と言ってくれること。小さな目標だけど絶対に達成したい。僕は僕の曲が好きだ。そして僕が演奏しないとこの世から消えてしまう。演奏しつづけよう。ライブに出よう。Cuanto norteさんで来年2月の写真展でまた僕は出演させてもらえる予定だ。上手くなりたい。上手くなりたい。ライブ修行に出よう。あんな思いをしたけど、もう早くライブに出たくてたまらない。両方の意味でライブの魔物、なんでしょうなぁ。僕もついにそいつに取り憑かれたか。

 

この記事を書いてる今日、会社で業務端末のいつも使うメモ帳を立ち上げたら余白に「うまれかわったかい?」と書いてあった。なんだこれは。そうだ、ライブの前日に僕が2日後の自分に向けて書いたものだった。僕はそこに「うん!」と返事を書いた。

 

ライブで世界は変わらなかった。僕が変わった。