バスに乗り、パンを買い、安売りスーパーで豚肉などを買い、歩いて帰り、本屋に寄る。いつも同じ作家の小説の文庫本を買う。もう何回目だろう。さすがに最近は「カバーつけますか?」「お願いします」というやりとりをせずとも、カバーをつけてくれるようになった。ただ、この作家の未読の文庫本はあと2冊かと思う。ここにない本は別の本屋に行って買わなければ。
シャワーを浴びてカツサンドを食べながら前週に買った小説の最終版を一気読みする。心の友が何度も何度も「幸せだ~、この時間が一番幸せだ~」と漏らしていた。きっといつもより平日のストレスが強かったのだろう。それほどしんどい一週間だった。
平日は奥の部屋で仕事をしているから気づかないが、居間にいると夕方から日没までの暑さが異常で、閉め切った寝室で昼寝したり読書したりした。
今の僕にとって読書、とりわけ小説を読むことは、折に触れて「~に果たして意味があるのだろうか」という不安に、文字を通したイメージや感情が沁み込んで、蓋をするような効果がある。これは音楽を聴いてもスポーツ観戦しても得られなかったものだ。しばらくは、飽きるまで本の助けになろう。