さてスイングを撤回して、よりイメージが湧いてきた。トリオパートが出来た。今回の曲は以前作った「Acordeãozinho」の曲想に近い。個々のパートのフレージングもメロディーも簡潔で分かりやすく、個性はない。ただ和声と構成が自分らしいと思う。この曲を発表する価値は、「聴いたことないサウンドだ!」みたいな稀少性じゃなく、こういうフレーズやメロディーを楽器一つで再現するという、演奏に関する面白さではないかと思っている。モンティのチャールダーシュをDTMで作って鳴らしたところで面白くないのと同じ。この点が「Acordeãozinho」と似通っている。つまり、弾き手にとって最も寄与できるタイプの曲だろう。
つまり、弾いていて楽しいということだ。これは作曲と演奏の原点にしてゴールではないか。少々大袈裟になったけれど、こういう曲想に気付けただけでも「スイングの空振り」体験が役に立ったと言える。失敗は成功の母ですね。