寝ても覚めてもという感じで作曲している。リズムについて。今まであまり意識しなかったけど、冒頭とトリオのメロディーは自然とシンコペーションになっていた。そこで弟フレーズをシンコペーション風に変えると…ものすごくよくなった。まるでかっこ悪い曲がかっこよくなったみたいに。拍の刻み方だけで全然変わった。そうか、そういうことなのか。ワルツばっかりやってたからいくつかのパターンの中に曲を閉じ込めていた。自然と湧き上がるものを記録すれば、曲はもっとよくなるのだ。
仕事中にもフレーズが浮かび、スマホで急いで録音して残す。それを何度かやって今日さらに二つの主題の変奏ができた。たまらんな。楽しいな。
今のところ抒情的な部分と生々しく激しい部分が、一つの曲の中で同じテンポで同居している。まるで善と悪、戦争と平和みたいに真逆だが繋がっていて、平和が気づかずに戦争になるような魔力を秘めている。これは何だろう、なんだか分からないが、こういう変な曲を作るのは恐ろしく楽しい。たしかにこの曲は変だ。抒情的なところだけを抜き出して同じテイストで展開していけば単なる「美しい曲」が出来るとは思うが、それではなんか違う。この曲の魅力が削がれる。なんで二つのフレーズを一つの曲にしたんだろう、というところがたぶんこの曲の肝なんだ。つまりそれがこの曲のテーマで、二つの相反するものの同居と変化というか…、まるでイスラム教とキリスト教の文化交流がされたレコンキスタ完了前のアル=アンダルスみたいな。