V-Accordionにおいて主にベース側での経過音を使うことは演奏効果上効果的だ。でも使いすぎると良くない。
経過音を入れるという技法そのものが曲の特徴になっている場合を除いて、ある程度の使用は曲にこなれた感じを出してくれる。つまり違和感を低下させてくれる。もう一つ大きなメリットがある。経過音のキーを経ることでベースキーのジャンプでの失敗率が下がることだ。僕が本当に空間認識だけで失敗せずにできるジャンプは最大3つまでぐらいだから、4つ以上離れると失敗しやすくなるのだが、経過音がジャンプの途中にある場合は当然一回のジャンプが3つ以内に収まるから成功しやすいという訳だ。ただ一方で経過音は次の音を予測させるから、ベース音の流れにおける意外性は下がる。あまりに経過音を入れると和声の変化によるカタルシスが下がってしまう。
ベースの経過音は右手側の動きがなくロングトーンになっている時や鳴っていない時に動く方が、それぞれしっかり聞こえるから、より望ましい。右手と左手で音色を変えている時はそうでもないがどちらもアコーディオン音色にしている場合に右手も左手も指が動きすぎるとせっかくの経過音がよく聞こえないからだ。
ベースというもの自体がそもそもルートの中で根音と経過音を動くものだ、ということも言えるけれど、より効果的な聴こえ方をするためにバランスとタイミングが大事ということだろう。すごく当たり前のことを書いてみたけど新曲でこの点を考えながら弾いてみるとまだ修正できる箇所がいくつもあった。忘れないようにしよう。