春日井ボンのボンかすLIFE

春日井ボンのボンかすALONE

日本人バヤニストの生活と日々

いい匂い

眠れずに空が白みだす4時台に起きてそのまま新聞を読んだりして早めに朝食をとり、予約していた美容室に行った。いつも通り、刈り上げしないレベルで極力短く切ってもらう。

 

そのままドラッグストアとスーパーに買い物に行った。ドラッグストアでは、少しずつカラーリングできるトリートメントと整髪料を買った。だからなんだという話だが、整髪料は象徴なのだ。

 

僕は誰と会うこともなく、2年間を過ごした。会社すらテレワークだから行く必要がないし、後は冗談抜きでスーパーとドラッグストアとコンビニと、テイクアウトする飲食店、病院と美容院、銀行ぐらい。本当にこれで全部だ。外食もしない。だからおしゃれして人と会うということがない。整髪料は数年前に買ったワックスがまだ残っている。だがふと店頭で新製品の形状が気になってサンプルを試用してみたら、今まで整髪料としては嗅いだことのないとてもいい匂いがする。その瞬間、自分がいい匂いをさせて外に出るということすら2年以上していないことにはっと気づかされた。

 

髪型を変えたり、新しい服を着たり。濃密な人間関係があった5年前ぐらいは、誰かの新しい靴やシャツを褒めたりすることは挨拶の代わりだった。そういうことが今は無い。必要がないという理由だけでどんどんそこから離れた。だが整髪料のようなものは、それを買わないで貯金こそできるが、実は日々を彩っているものでもあるのだ。

 

その整髪料はセット力のほか軽いツヤと指通りの良さを与えるとともに、とてもいい匂いがする。香水のような主張の強さはないがほのかに香る…周りの人にどう思われるかよりも、自分にとって、どこを歩いても頭上にずっといい匂い。必要な時に使おうと思い、敢えて開封していない。使うのはいつだろう。