月の変わり目に、ふと新しいメロディーが浮かんだ。久しぶりの4拍子だーと喜んで展開を作っていくと、どうしても3拍子的な間奏が出来てしまった。またワルツなのかーと思いつつ、今のところの新曲に合わせてみることにした。
しかし合わせたところ、曲のシンプルさが失われ、ぼやけた印象になった。フレーズ自体は悪くなくても、それが置かれる場所によっては輝きが消える。さすがに、調は合わせるにしても、同じテンポだからと違う曲の中に放り込んでもうまくいかない。
楽曲とは建築物みたいなものだ。アーリー・アメリカンな部屋にゴシック調の家具を置いたら浮いてしまう。せめて部屋毎には、テイストが合っていなくては。
そんな訳で和声は悪くないのだが、僕自身がワルツに飽きている(にも関わらずワルツを作ってしまう)のに加えて、今回採用されなかったのでそのフレーズは記憶の引き出しに眠ってもらうことにした。その後、入浴していたらまたもや、新しいフレーズが鼻歌で浮かんできた。今度は4拍子だ。たぶん最初に浮かんだ部分の正当な展開だろう。すぐさまバヤンで再現してみると、なんというか、独奏には合わなそうなフレーズだった。(つづく)