春日井ボンのボンかすLIFE

春日井ボンのボンかすALONE

日本人バヤニストの生活と日々

うつつ

明け方、夢を見た。それはあまりにも楽しかった。起きてから溜息が出た。夢の中での行動に対して「よくやったな」という自分への労いと、これが現実でなかったことを悟った諦めの、二つの思いがこもっていた。

 

楽しい夢のお陰で一日幸せだった、というほど現(うつつ)の生活は甘くない。すぐにその感覚は薄れ、その後いくら仮眠しても同じ夢の中には戻れなかった。

 

こういう時でもそれを思いだしながら楽器を弾いていると感覚だけほんの少し夢の中に戻っていく気がする。自分にとって自分の楽曲がそんな意味を持つ時がある。不思議と小さな奏法上のミスは気にならない。うつつの中に夢を再現できるようだ。そしてこの感覚も、次の日になるとすべて消え失せるだろう。気の持ちようなんだが、それがうまくコントロールできない。何か修行すれば制御できるようになるのかも知れないが、そうする気はない。僕は現実に生きているのであって、夢の中には生きたくない。

 

それにしても楽しい夢だったな!あれが現実に出来たらどれだけ幸せだったろうか。それを目指してうつつを生きよう。